アリックス(ARIIX)対クオリア設立者の訴訟:MLM業界の法的闘争が浮き彫りにするもの
アリックス(ARIIX)がクオリア設立者4名を提訴!?
クオリアの共同設立者4名がアリックス(ARIIX)から提訴されているという話題が巷を賑わせました。いったいどのような訴訟内容でアリックス(ARIIX)から提訴されたのでしょうか?
この話題は、訪販ニュースの記事(2021年2月18日号)で取り上げられたようです。紙面の内容は以下の通りです。
外資系MLM中堅の「アリックスジャパン」(以下アリックス、東京都港区)の米国本社が、日本のトップリーダーだった会員4人を相手取り、本社のある米ユタ州で訴訟を起こした。アリックスに対する昨年11月の行政処分をきっかけに、会員4人が別のMLMを新設。アリックスから新会社へ組織移動が起きる際、4人と米国本社の間で結ばれていた契約に関してユタ州法に関する不正があったと主張している。日本法人のアリックスも国内で提訴する準備を進めている。
『契機は行政処分計37人強制解約』
米国本社の提訴は1月8日。同社を原告として、ユタ州ソルトレイク群の第三地方裁判所に訴えた。提訴の相手方は、日本のトップリーダーだったK.W会員、K.Y会員、K.A会員、T.T会員の4人(うち2人はパートナー登録により1組で活動)。4人は、うち1人を代表とする新MLM「QUALIA(クオリア)」(以下Q社、所在地・大阪市中央区)を設立。ヒト細胞培養液の化粧品やビタミン系サプリメントを取扱っている。アリックスは昨年11月20日、消費者庁から特定商取引法違反で9か月間の新規勧誘、登録受付等の停止命令を受けた。訴状や関係者によれば、この処分の前後してアリックスからQ社へ会員の移動が起きたという。訴状によれば、処分前に4人との間で複数回、交渉の機会をもち、処分前日のオンライン会議でアリックスへ残留を要請したが、処分の発表後、表立った移動の働きかけが始まったとしている。アリックスは処分後、計37人のリーダークラスを強制解約(2月12日時点)。そのほとんどがクロスリクルートを理由としている。この中には、トップタイトルの「クラウン」に次ぐ「チェアパーソン」保持者7人や、「チーフエグゼクティブオフィサー」保持者6人などが含まれる。
『「Fクラブ」認定 利益配当の特典』
訴状では、ユタ州の統一営業秘密法(UUTSA)に反する企業秘密の不正な流用が4人によって行われたと主張。4人は、トップリーダーの中から米国本社が認定する「ファウンダーズクラブ(以下FC)」の一員に選ばれており、企業秘密に外部からアクセスできるのは「FC」か、信頼できる少数の個人に限られるとしている。アリックスによれば、「FC」の認定数は世界全体で17人。(略)
つまり、上記4人は、ファウンダーズクラブ(FC)の一員に選ばれており、FCは企業の経営方針や事業計画などの機密情報を知ることができる一方で、アリックス(ARIIX)に対して利益相反違反をを行わないという契約を結んでいたにも関わらず、アリックス(ARIIX)の名前を利用しアリックス(ARIIX)の会員をクオリアにクロスリクルートするなど、契約に背く行為をしたとして提訴されていると解釈できます。
同紙で、アリックス(ARIIX)の親会社(企業)であるニューエイジのCEOのブレンド・ウィリス氏も、この問題を言及しており、実際のニューエイジが2月1日に発表した財務報告書でも、提訴する旨が記載されています。
また、業界紙である月間ネットワークビジネス5月号(2021年3月29日発表号)にもこの話題が掲載されており、クオリア創業者である神農氏のコメントも記載されています。同紙で、神農氏は「訴状の送達をうけていないため反論のコメントは控える」としています。
クオリアが、アリックス(ARIIX)から本当に提訴されているのか、確証のある情報はなかったものの、アリックス(ARIIX)の親会社であるニューエイジやアリックス(ARIIX)が提訴したことは事実であるとコメントをしていることからも、提訴が事実である可能性は高いのかもしれません。
MLM業界の法的闘争が浮き彫りにするもの
アリックス(ARIIX)がクオリア(QUALIA)の共同設立者4名を提訴した件は、MLM(ネットワークビジネス)業界における契約遵守と企業秘密の保護の重要性を改めて浮き彫りにしました。訴訟の核心は、アリックス(ARIIX)との契約に違反し、企業秘密を不正利用した疑いにあります。
この訴訟は、MLM業界における契約の重要性と企業秘密の保護を再認識させるものです。特に、アリックス(ARIIX)からクオリアへの組織移動がどのように進行したかについての詳細が明らかになれば、業界全体における組織間の競争と倫理基準についての議論が深まる可能性があります。
アリックス(ARIIX)対クオリアの訴訟は、MLM業界における新たな転換点となるかもしれません。契約遵守の重要性と企業秘密の保護が、今後の業界の方向性を左右する重要なテーマとなることでしょう。この訴訟の行方と、それが業界に与える影響には、引き続き注目が集まります。
MLM業界の厳しさ
設立されたMLM(ネットワークビジネス)の会社(企業)の99%が5年以内に倒産すると言われていることからも、今はクオリアの動向を静観した方が良いかもしれません。